福岡の理科実験塾:エジソン少年理数工房 

エジソン少年理数工房・責任者小松のひと言日記です。
塩の結晶つくり


「塩の結晶」を作りたい。という声を聴き、二学期の実験は「塩の結晶作り」からスタートしました。先の「日記」に書きました「試験管たて作り」に先行して行なわれたものです。

 内容は 飽和食塩水を作り、その中に岩塩のかけらを「タネ結晶」として
ナイロン糸(釣り糸)で吊るしてあとは結晶が大きくなるのを楽しむだけなのですが、やってみると意外なおもしろさが含まれています。

 飽和食塩水の作りかた で大活躍なのが写真の「上皿天秤」です。動きのあるところがおもしろいらしくどの子も熱中します。数ある実験道具の中でもっとも人気の高い用具といえましょう。

 今の季節20度前後の室温では水100mlに食塩35gぐらいが、溶ける最大量
なのですが今回は38gを使いました。当然とけ残りはビーカーの底に残っているのですが気にせず続行、これが結晶作りの意外な障害となりました。

 一週間が過ぎた頃観てみるとキラキラ輝くきれいな小さな結晶がタネ結晶
の周囲よりもビーカーの底にたくさんあるのです。もうお分かりのことと思います。とけ残った食塩が平べったいタネ結晶としての役割を果たしていたのです。溶け残りのない飽和食塩水だけを別の器に取り、あらためてタネ結晶をその中に吊るし直しました。

 しっぱいネタはつきません。さらに2週間後ビーカーの上淵にはビッシリと
食塩の山。その原因はすぐにわかり、分かると同時に顔がほてりました。
ナイロン糸が結べない子どもに木綿糸を使わせたのがそもそもの失敗。木綿
糸を毛細管現象で上へうえへと上った塩水は糸を吊り下げている割り箸からさらにビーカーの上淵へと広がり塩水の中から水だけが蒸発するにつれ立派な食塩の山となっていたのです。

 この最中実験内容を聞きつけた西日本新聞から「塩の結晶作り」について記事をを書いてほしいとの依頼を受け、子どもの失敗をまぜながらも自身のしっぱいは隠したまま、したり顔ふうに書いたのですが、実際はこのようなものです。3年前の失敗をきれいに忘れていたのです。

 「わからん、わからん やってみんとわからん」ですね。

 

 



作成日時2010/11/23 12:00:56