福岡の理科実験塾:エジソン少年理数工房 

エジソン少年理数工房・責任者小松のひと言日記です。
試験管たて作り(10月後半〜11月前半)


 ほぼ三年ぶりの工作です。きれいに仕上がるように、材料、工具に改良と工夫を加えひと月ほど前から始まりました。

 「学習用具を自分の手で作る」これはエジソン少年理数工房の大きな特徴です。長さを測って印をつけ、直角に線を記す。真剣な作業だけにこの
工程だけでも「長さ、直角」の考え、言葉、が自然に身についてゆきます。

 試験管を入れる穴の位置を割り出すのに文字通り割り算がでてきます。
現実的には「植木算」の活用です。5個の穴をあけるために長さ20cmの天ばんを6で割らなければなりません。もう少し付け加えると 五つの試験管穴
のうち両端の二個は、両端から穴までの間隔を 穴と穴との間隔よりも1cm
長く取ります。これは工作時の割れを防ぐための工夫です。

 復習すると長さ20cmの天板から両端1cmずつ、つまり2cmを差し引き
残り18cmを六等分しなければならないのです。

 低学年の生徒は4年生、5年生の計算をじっとみています。算数が現実との
接点を求めて火花を散らしている見事な見本でしょう。

 でも子どもたちが達成感を感じるのはノコギリで板を切り、ドリルで孔を明け、木ネジをドライバーで締め付ける作業そのもののようです。

 こうして作り上げた試験管立がこれから先の科学実験のなかでどんなに力強い味方になってくれるかは言うまでもないでしょう。

 ただチョット心配なのが、割れないような材料を選び、計算しやすいように長さを決めた一連の流れがどこか「キット工作」ぽくなってゆき「失敗こそが学習のスタートだ」と思い、かながねそのように言って来た主旨から
それるのではないか?という不安です。

 それでも 実際には「直角」な線一本をひくのでも苦戦しているのが現状ですから「チョットの心配」は今のところ取り越し苦労のようです。

 作り上げた生徒には約束どうり5本の試験管をプレゼントしました。
「わーい」と喜ぶ子どもたちの姿に疲れもとれました。



作成日時2010/11/23 09:30:38